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2010年9月 3日 (金)

森園勝敏/クロス・トーク

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 「ジャスト・ナウ&ゼン」から6年後の作品だが(両者の間には「4:17pm」という作品もあるのだが手に入れられなかった)、時流に合わせたのか、1曲目の「スピリチュアル・レッド・ブギー」からいきなり「打ち込みファンク・リズム+シンセ・ブラス+デジリバの遠近感」つまり、スクリッティ・ポリッティ的サウンドなのは驚く。彼のソロ作といえば、第4作「スピリッツ」の冒頭に収録された「恋にお手上げ」でのアレッシーも真っ青なAOR的ポップさにも驚いたが、こちらも中々の日和見振りではある。
 2曲目「ノー・エグジット・ラブ」や3曲目「アイヴ・ガッド・ユア・ナンバー」では、テキサスみたいなハードなエッジのギター・ポップ的サウンドにのって、「ふたりは恋のヘアピンカーブ」とも「恋のテレフォン・ナンバー」みたいな歌詞を歌ってしまっているし(笑)、本作には、当時売れ筋だったであろう音楽記号が満遍なく散りばめられている感じである。まぁ、商売上こういう曲は、お仕事としてやらなければいけなかったのだろうが、さすがに、ちと迎合しすぎという気がしないでもない。

 さて、本作がいつもの森園らしくなるのは、まずは4曲目の「C.T.ストンプ」だろう。実にアーシーでブルージーな作品で、「バッドアニマ」の頃を思わせる仕上がりにもなっている。ギターもあの時に以上にコクがあり、ギタリストとしての円熟を感じさせずにおかない。ゲストとして参加した竹田和夫とのインタープレイも、シャープな竹田に対し、「受けの森園」らしさが遺憾なく発揮されたプレイを展開。ニュアンスは違うがプリズムでの位置関係を思い出させたりもして実に楽しめる。。
 あと、カバーとして収録された、マーク・アモンドのデビュー作から「シティ」、ディープ・パープルの第3作でお馴染み?の「ラレーニャ」もいい。そもそもこういう選曲をしてくる自体、世代的な共感を感じずにはいられないうれしいものなのだが、前者はちょっとレゲエっぽいリズムで処理されたAOR風なサウンド。後者はオリジナルでジョン・ロードのジャジーなオルガンがフィーチャーされていた部分をギターに置き換え、全体はこのアンビエント風なムードもあってなかなかムードある仕上がりになっていて、それぞれかなり楽しめる。

 という訳で、聴きどころがゲストが入った曲やカバー…というのは、ちと寂しい感がないでもないが、ポップな曲にあってもギターはもちろん、ボーカルなどもなかなかどうしてたっふりと躍動しているは、さすがというべきだろう。{「クール・アレイ」や「エスケープ」のようなスティーリー・ダン的なフュージョンの森園というより、「やはり彼はロックの人なのだ」と思ってきけば、それほど悪い仕上がりでもないと思う。
 それにしても、本作を出した後の彼はサントラ一枚出しただけで、まぁ、企画物は別とすると、どうもその後ソロ・アルバムはすっかりごぶさたしているようだ。それとも、彼の活動は、もっぱらセッションとたまに四人囃子というスタンスになってしまったのだろうか。ロック・ギタリストのソロ・アルバムといいう需要がなきに等しい昨今にあって、これは寂しいことではある。

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