« 森園勝敏/スピリッツ | トップページ | 四人囃子/Neo-N »

2010年8月13日 (金)

森園勝敏/エスケープ

51aoih7nxyl_sl500_


 1980年録音のソロ第3作。本作から自らをリーダーとするバンド、Bird's Eye View(BEV)を立ち上げたようで、これはその第1作ということにもなる。本作では前2作では、かなりフィーチャーされていたブラス隊がひっこみ、よりバンド・サウンドに近い音になっていて、これまでになくジャジーでアダルト・オリエンテッドな音楽になっている。とはいえ、編曲の中心となるのは、第1作「バッドアニマ」からの付き合いになる中村哲(kbd,Sax)が中核となってるため、音楽的ムードはある程度一貫してはいる(少なくとも、次に「スピリッツ」のようなイメチォン感は薄い)。今回は収録曲をちくいちメモしてみたい。

 1曲目の「キャデラック・キッド」はベン・シドランの曲で、フュージョンというより、4ビートなども交え、その後の隆盛を誇ることになるAORフュージョン的な仕上がりになっているがおもしろい。冒頭のSEなども含め、都会の夜的なお洒落なムードとアーシーさが絶妙にブレンドしていてなかなかの出来。
 2曲目の「バチスカーフ号」って潜水艦のことだろうか。そういえばメカニカルなリズム・パターンやメカニックなシンセ・サウンドがそれっぽい感じもする。その間隙をぬって、森園のギターがエレガントに歌いまくる。そのテンションは前2作より高いかもしれない。
 3曲目「サム・カインド・オブ・ラヴ」はボーカルをフィーチャーしたかなりポップな作品で、中期スティーリーダン的な趣きもあるし、次作を予告しているかのようでもある。が、聴きどころといったら、やはり中間部での聴けるギターであろう。それはまさに絶好調といった感じの天衣無縫さがあるのだ。

 旧B面、1曲目となる「ブルー・ファンク」はまろやかなムードを持ったソフィスティーケーションされたファンク・ナンバー。ある意味、森園らしい作品ともなっているとも言えるが、後半に出てくるロングトーンで奏でられるツボを押さえたギターワークも素晴らしい素晴らしい。
 後半2曲目となる「アンタイトルド・ラヴ・ソング」もボーカルをフィーチャーし、もろにスティーリー・ダン風なAOR作品になっている。ストリングスやコーラスも交えてシティ調の演出だが(途中でグルーシンの「コンドル」風になるのはご愛敬か)、森園ギターはラリー・カールトンかスティーブ・カーンかといった感じだ。。
 オーラスの「ナイト・バード」は、ストリングスやピアノを中心としたサウンドをのって、森園がジャジーなバラード系のプレイを披露する…という、これまたアダルト調の作品。本作はこれまででもっとも、AORフュージョン的な作品というのは、先に書いた通りだが、この曲もアルバムの最後を飾るに相応しいミッドナイトな雰囲気がある。

« 森園勝敏/スピリッツ | トップページ | 四人囃子/Neo-N »

05 その他」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/552114/49153191

この記事へのトラックバック一覧です: 森園勝敏/エスケープ:

» 森園勝敏のソロ二作 [BlogOut別館]
・バッド・アニマ  プリズム脱退後の1978年に制作されたソロ第一作。プリズムの [続きを読む]

« 森園勝敏/スピリッツ | トップページ | 四人囃子/Neo-N »

● 愚にもつかぬ つぶやき