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2010年7月 1日 (木)

四人囃子/PRINTED JELLY

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 四人囃子については、ほぼリアルタイムで「ゴールデン・ピクニックス」までは聴いたが、リーダーの森園勝敏の脱退に伴い興味半減、それ以降の彼らについては全くといっていいほど聴いていなかった。なので、実は「ゴールデン・ピクニックス」の翌年に早々と発表された本作も、実は今回初めて聴いたことになる。一応、クレジット関係をさらっておくと、脱退した森園に替わってギターとボーカルに佐藤ミツルが参加し、残り3人はキーボードが坂下秀実、ベースが佐久間正英、ドラムスは不動の岡井大二という布陣で1977年に制作された作品ということになる。

 なにしろ、バンドのギタリストとしてはもちろんだが、主要な作曲やボーカルまで担ってきた森園が抜けただけに、音楽的陣容としてはかなり変化している。ここでは70年代初頭のニュー・ロック的な雰囲気が一掃され、ソリッドなサウンドをベースにしつつも、ポップなセンスもそれなり露出していくという音楽になっている。もっともこうした方向性は実は前作からの流れだった訳で、そういう視点から聴いていけば、それなりに納得できる仕上がりだという気もする。なにしろ当時の音楽シーンは、スタイルとしてのニューロックやプログレが次第に陳腐化し、こうしたバンドは四人囃子に限らず、おしなべてポップで明るく…という音楽的なイメチェンを図り始めていたから、これは当時の音楽的潮流でもあった。

 音楽的には前述の通り、かなりポップに衣替えしてはいるものの、意外にも四人囃子らしい浮遊感(「シテール」「気まぐれの目かくし」)やある種の日本的な可愛らしいさ(「ハレソラ」)といったテイストは健在という印象である。新加入の佐藤ミツルだが、ソリスト指向が強かった森園に比べ、ハードなエッジで切り込むリフに特徴があり(「N★Y★C★R★R★M」)、スペイシーなソロなどもとるが、情緒的にはドライなプレイになっている。ざっくりいってしまうと、森園のギター・ワークがプログレっぽいエリック・クラプトンだとすると、佐藤はポップなジミー・ペイジといえるかしれない(ボーカルの頼りなさはどっちもどっちだが)。

 というわけで聴いていると、必ずしも四人囃子と状況的には同一な訳でもないものの、デビッド・アレン、スティーブ・ヒレッジなど主要メンバーが脱退したゴングが、その後残ったメンバーでもって、意外にも従来のゴングらしさを保持したまま、いくぶんポップで、開放的な雰囲気を持った傑作「シャマール」を、ものにしたことを思い出したりもする。同じ頃のジェネシスもそうだったが、思えば、本作も音楽シーン全体がそうした過渡期にあった頃の作品だった訳だ。

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