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2010年7月23日 (金)

プリズム/プリズム

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 四人囃子以降の森園の活動に興味が沸いたのでSACDを購入してみた。私はプリズム自体をほとんど聴き込んでいないクチで、このデビュー作も多分初めて聴いたものだが、一聴して70年代後半のRTF、そしてアル・ディメオラあたりの影響をモロに受けたテクニカル・フュージョン+英国のブランドXやアラン・ホールズワース周辺のプログレ風味といった感じの音楽になっている。デビュー作ということで配慮したのか、旧A面には割とポップでキャッチーなナンバーが4曲ほど並んでいるが、旧B面になると一気にごりごりとしたテクニカルさが全開になるという構成になっている。メンバーは和田アキラ(gt)、渡辺建(b)、伊藤幸毅(k)、久米大作(k)、鈴木リカ(ds)に森園が加わった形だ(つまり、ダブル・ギター&ダブル・キーボードだったということか、考えてみれば凄いことである)

 収録曲ではやはりB面の3曲が聴き物だ。「ヴァイキング2」はギターととシンセのトリッキーなユニゾンが、いかにも70年代後半のフュージョン・シーンの熱気を甦らせてくれてるような曲で、転調後やにわに入ってくるストリング・シンセの音色がいかにも70年代末期の香りがする。8分近い「ターネイド」は全編のハイライトか。この曲などまさにディメオラそのものといった感じの、スパニッシュ風なテイストを取り入れたテクニカルな作品で、思わずキーボードまでヤン・ハマーしてしまっている。途中、少しだけ和田と森園のギターのインタープレイが聴かれるのは楽しい。ゴリゴリとした攻める一方の和田に対し、森園は地味ながらエレガントな受けで返しているあたりはさすがだ。「プリズム」もトリッキーなキメが連打するテクニカルな曲で、本アルバム中ではもっとプログレ風というか、ブランドX的な激辛感のある演奏になっている。和田のギターはジョン・グッドサルかジョン・エサーリッジという早弾きを披露しているのには、思わずニヤリとさせられる。

 ちなみに、当然といえば当然なのだが、プリズムはあくまで和田アキラが主導したバンドであるため、森園はほとんどサイド・ギター扱い、堅実というか、はっきりいってほとんど目立たないプレイで、印象は地味そのものである。とはいえ、プロに徹したギターのカッティングなど、過剰負担だった四人囃子から離れた場所で得たある種の開放感だったのだろうか、実に小気味よいプレイにはなっている。また、渡辺建の弾くベースの表向きゆったりとした構えとは別に、存外アグレッシブさをも内包したグルーブ感はこのバンドに独特のノリを与えていると思う。旧B面のアグレッシブな3曲では、日本人離れした安定したプレイを展開していて出色のプレイになっていると思う。

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