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2010年7月17日 (土)

四人囃子/包(Pao)

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 前作「PRINTED JELLY」と同じ佐藤、岡井、坂下、佐久間というメンツで制作された1978年の第4作。76年の「ゴールデン・ピクニックス」、77年の「PRINTED JELLY」、そして78年の本作と、毎年アルバムをリリースできたというのは、途中、支柱だった森園の脱退の憂き目に遭いながらも、四人囃子自体の活動はかなり順調だったということなのだろう。

 収録曲は全10曲。基本的には前作ラインのプログレ・ハード的なサウンドをベースに、更にポップなセンスを加味した音楽という感じか。また、いちばん長い曲でも5分半だから、時流に乗ったサウンドのコンパクト化、曲のポップ化が進行していたことは明らかだが、同時にそのスピード感、ソリッドな趣きは更に倍加し、特にドラムとベースがフュージョン的なテクニカルさ、アグレッシブさ表に出ていることも注目される。

 アルバムは、佐藤ミツル作の「眠たそうな朝には」から軽快に始まる。前作のハード・ポップさをより推進したような曲だが、ドラムとベースがフュージョン的なテクニカルさを見せているのがおしろい。78年といえばああいうリズムがヒップな時代だったのだ。2曲目の「君はeasy」は岡井の作品だが、こちらはアメリカン・ロック的な開放感が印象的な作品になっている。また、旧A面の最後の「Mongolid-Trek」はブランドX的なテクニカルさをベースにした素っ頓狂なインストになっている。

 旧B面に入ると、今度はいくらかテクノやニューウェイブ・ポップ的な趣きにアグレッシブなリズムを加味した「機械仕掛けのラム」が始まる。これは佐久間の作品だが、こうしたセンスはおそらく次作で大きく展開されることになるのだろう。また、8曲目の「ファランドールのように」ではヨーロッパ的なポップセンスも見せたりする。9曲目の「クリスタル・ボム」は前作ラインの曲だが、四人囃子らしいユーモラスなところをきっちりと抑えているのはさすがだ。

 という訳で、本作では4人メンバーがそれぞれ曲を持ち寄って作られた結果、かなりバラエティーに富ん作品群が入ることにはなったが、その分ややとっ散らかった出来になったのもまた事実だろう。当時の音楽シーンやバンドの状況からしてこうなるのは、ある意味必然だったのかもしれないが、ラスト「Vuoren Huippu」のようなプログレ風味がアルバムにもう少しあってもよかったように思う。

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