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2010年7月10日 (土)

四人囃子/From The Valuts 2 「`73 四人囃子」

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 ディスク3は「`73 四人囃子」という78年に発表されたライブ・アルバムの全長版という体裁になっている。このアルバムはソニーから四人囃子が再デビューしたのをきっかけに、その前に所属していた東宝レコード(「一触即発」と「20歳の原点」をリリース)から、メンバーの承認も得ないで発表されたといういわく付きの作品だった。このボックス・セットが発売されるまでは、最初期の四人囃子を伝えるほとんど唯一のライブ・パフォーマンスでもあった。

 データ的なことを書いておくと、1973年8月俳優座でのハフォーマンスを収録したもので、これはほぼ「20歳の原点」と同時期、「一触即発」に先だった収録だったことになる(「一触即発」は74年の2~4月に収録)。本来FMのオンエアもしくは制作資料として収録されたものらしく、どうやらメンバーはこの演奏を自分たちのベスト・パフォーマンスだとは考えていなかったようで、それを5年も経ってから唐突にリリースされたことに不満を感じていたようだ。

 収録曲は「おまつり」「中村君の作った曲」「泳ぐなネッシー」「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」「一触即発」の5曲で、オリジナルとは曲順も当時のパフォーマンス通りに復元されているようだ。この時点で、既に「泳ぐなネッシー」や「空飛ぶ円盤」を演奏しているのは興味深いところだが、要するに、四人囃子のデビュー作は、当時既に揃っていたいくつかマテリアルから、とりあえず「おまつり」と「一触即発」を選び、それに何曲かプラスして構成されたアルバムというところだったのだろう。

 演奏はとても素晴らしい。森園のMCはまるで学園祭みたいなノリだが(笑)、それとは対照的に演奏はかなり練達そのもの。ギターの森園はもちろんだが、ドラムスの岡井大二とベースの中村真一のコンビネーションが素晴らしく安定しており、まさにライブで鍛え抜いたといった感じのパフォーマンスである。ラストの「一触即発」など、そのパワフルさに日本的なワビサビを違和感なくライブで共存させていて、当時の日本のロックが確実に第二世代を迎えていたことを実感させる。

 最後に音質について書いておくと、一応ボード録音なので、当時の水準はぎりぎりでクリアしている。ただし、バランス的にどうかと思うところは散見するし、全体にSNが悪く、サウンドが飽和気味になってしまうのは惜しまれる。ただし、この音質で当時の四人囃子のハフォーマンスが聴けるのは、今となってはよくぞ残しておいてくれた…といった感が大きい。少なくともディスク4と5に収録されたエア録音に比べれば、その差は歴然である。

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