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2010年6月 4日 (金)

四人囃子/一触即発

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 いやぁ、懐かしい。ここ一週間ほど思い出すと、取り出して聴いているのだが、こんなに聴くのはきっと20年振りくらいに聴くんじゃなだろうか。実に懐かしい音である。本作は四人囃子が74年に発表したデビュー・アルバムだが、私など四人囃子といえば、2枚目の「ゴールデン・ピクニックス」で彼らを知り、そこから遡って本作にたどり着いたという人も多いと思う。
 むろん私もそのひとりであるが、四人囃子はソニーから再デビューともいえる「ゴールデン・ピクニックス」を、79年に発表した時点で、初期のジャパニーズ・プログレ・バンドとしての音楽的陣容は既に終わりかけており、遡った本作で「本当の四人囃子」を知ったということなのだったろう。

 初期の四人囃子は、日本のバンドらしく影響受けたバンドの痕跡というか、盛り込まれた音楽的な情報量は実に豊富だが、70年代初頭の汎ブリティッシュ・ロック、ことにフロイド的な浮遊感に満ちた音響、そしてサンタナ的なラテン・ロックのリズムと官能をベースに、極めて日本的なじめじめとした四畳半フォークみたいな私小説的なムードを合体させた音楽だったのだと思う。
 2曲目の「空と雲」はサンタナ的なリズムと呪術的ムードをベースに、いささかシュールだが紛れもなく70年代前半のフォーク的な情緒が横溢しているし、3曲目「おまつり」では「ユージン斧に気をつけろ」に共通するようなフロイド的な幻想味が、サンタナっぽい官能性と日本的なワビサビの中に表現されいる。また、特に旧B面のタイトルトラックは、70年代前半の日本のロック状況を、四人囃子が総括したような見事な1曲である。

 当時の私は、極東在住のプログレ少年だった訳だけれど、これを聴いて「日本にプログレ・バンドと呼ぶべきバンドが存在していたこと」ことを発見して驚愕したものだった。それは垢抜けてポップなセンスでまとめられた「ゴールデン・ピクニックス」には感じられず、もっと純粋一直線だった「一触即発」だったから感じられたセンスだったともいえる。
 ついでにいえば、それだからこそ、当時(79年)本作を聴くと、なにやらどうしようもなく古臭いものを感じたのも事実だったといえる。本作は74年の録音だが、実質的には72年頃のレパートリーをまとめ上げたもので、音楽に封じ込められた時代は空気は、明らかに70年代初頭のそれであるのは間違いない。なので、私は本作聴いているとどうしても72年くらいの風景が甦ってくるのだ。

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