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2010年5月16日 (日)

TANGERINE DREAM / Live In Croydon`75 Pt.2-3 (The Bootleg Box Set.1)

Td

 パート2は、シンセの白玉にのってアコスティック・ピアノが入る。「リコシェ」や「アンコール」でお馴染みのものである。タンジェリンがいつから、そして、どんなきっかけでアコスティック・ピアノを導入し始めたのかはよくわからないのだが、おそらく導入はこの時期であることに間違いあるまい。ついでにそのきっかけとなったのは、想像だが、やはり当時一世を風靡していたキース・ジャレットにあるのではないだろうか。冒頭からインプロ風につま弾くところなど、その影響は明らかという気がするのだが....。
 さて、それがしばらく続くと、例のシューベルトみたいなトラディショナルなフレーズが登場する訳だ。このフレーズをフローゼは気に入っていたようで、その後何度も使い回すことなる。このアコピのパートはアルバムだと、こうした部分はほんの刺身のツマくらいのスペースしかさかれていないが、実はこういう風に延々とやっていた訳だ。

 5分ほどしたところで、一旦、シーケンサー風のリズムが登場して、お得意のパターンへと発展すると思いきや、いったん静まり。またして抒情的な空間に舞い戻ってしまうが、このあたり、当時のタンジェンリンが本当にインプロでステージをやり繰りしていたことを物語る展開だと思う。やがて鼓動のようなリズムが聴こえてくると、メロトロンのクワイア、SEなどが絡み、本格的にリズムが始まる。このパートではバウマンが手弾きしたパターンを主体にした、まさにリズムのつづれ織りのような、「エキサイティングなテリー・ライリー」の如き音楽であり、「リコシェ」そのものといった音楽になっている(ちなみに、録音したテープが30分だったからだろうか、最後に欠落があるのは、なんとも残念だ)。
 ちなみに子細に聴き比べた訳ではないから、断言はできないが、どうやらパフォーマンスの一部が「リコシェ」にも使われたようで、フローゼのギター・パート以降のかなり部分は、そのギターやシンセのフレージングからしてほぼ同一ソースのようにも聴こえる。ともあれ、この狂おしいまでのテンションは、まさにもうひとつの「リコシェ」といっても過言ではない仕上がりである。

 パート3は前パートの続きなのか、アンコールなのか判然としないが、おそらく前者なのであろう。前パートのテンションそのままで、シンセによるリズムの饗宴になっているが、後半多少疲れてきたのかテンションが落ち気味なのが残念だが、バウマンのイマジネイティブなキラキラするようなシーケンス風フレーズなど聴きものである。
 という訳でこのパフォーマンスは、「リコシェ」リリース時のタンジェリンが、実際のステージではどうだったのか知る上で、貴重なものであることは間違いない。わずか半年前のライブはおそるおそる使っていたという感じのシンセのリズムがここではメインとなり、初期の幻想的な音響がこのリズムの引き立て役みたいに変化していったことも良く分かるし、その後彼らがここで作り上げたいくつかのパターンを、自ら構造化させていく歴史を考えれば、その意味でも貴重な記録というべきだろう。

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