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2010年5月27日 (木)

MARILLION / Marbles (Dsic.1)

Marbles_cd_large


 「ブレイブ」以来の久方ぶりのコンセプトアルバムということで、ファンの間ではけっこう話題になった2004年の作品である。また、当初2枚組のフル・ヴァージョンとシングル・アルバムが同時に発表されたことでもいろいろ物議を醸し出したようだ。
 この2つのヴァージョンが、「本来シングル・アルバムであったものを2枚組に拡大したのか」「2枚組を凝縮して1枚にしたのか」、そのあたりの制作プロセスがよくわからないところもあるのだが、幸い私の手許にあったのは、既に市場に流通していない2枚組の方だったので、ここ数日、こちらをじっくりと聴いているところである。まず、第1部と第2部に相当するディスク1の方から聴いてみたい。

 アルバムはまず13分にも及ぶ「The Invisible Man」からスタート。前作までとはうって変わって、ゆったりとした大河的スケール進んでいく。もちろんこれまでの取り入れてきた様々な要素は加味しているが、この雄大な盛り上がりは、ある種の「先祖返り」を感じさせる。マリリオンというと金太郎飴サウンドなどと私自身形容しがちなのだが、こういうサウンドはしばらくやってなかったな…とつくづく思う。
 続く「Marbles I」は間奏曲風の作品。本作にはこの「Marbles」がアレンジされて4パターン入っていて、それぞれが間奏曲風の役割を果たしているようだ。ともあれ、その最初のものがコレである。トロピカルで珍しくジャジー雰囲気もあるボーカル作品になっている。

 「Genie」(シングル・アルバム未収録)はシンプルなビートにのった美しい牧歌ポップになっている。シングル・アルバムの方だとここには「You're Gone」が入り、アルバムとしてのメリハリ感を演出しているのだが、フル・ヴァージョンではこのまったりした曲で、いかにもまだまだ序盤という感じである。
 「Fantastic Place」は既視感を誘うような懐かしいムードに彩られたメロディックな作品。アンビエント・テクノ風な無機質ビートを隠し味に、徐々にサウンド厚くなり、そのピークでギターが登場する当たりの構成は見事。また、今時なサウンドの質感を漂わせつつも、全体としては70年代のシンガーソングライターの作品的な趣があるのは、ホーガスのセンスが出たからだろう。

 ここからが第2部というところだうか。まず「The Only Unforgivable Thing」(シングル・アルバム未収録)だが、これも実にゆったりした作品で、大海原を曳航するような広がりとスケール感を感じさせる仕上がりになっている。シンセの白玉にリラックスしたギター、ドラムも実にいいグルーブ感を出していて、ホーガスも実にナチュラルだ。後半は厚みを増しドラマチックに展開する。
 間奏曲その2である「Marbles II」はドリーミーというか、子守歌風なサウンドに乗って始まり、70年代っぽいサウンドへ発展してやがてメロトロンも聴こえてくる。ちなみに本作は現代の孤独の諸相をモノローグ的な楽曲と対比しつつ進んでいくらしいのだが、一連の「Marbles」がそのモノローグになっているようだ。

 ディスク1(そして第2部)の最後となる「Ocean Cloud」(シングル・アルバム未収録)は、とりあえず前半のハイライトとなる作品だろう。18分近い大作で、「プレイブ」の頃思わせる暗い重厚なムード、そしてホーガスのパッショネートなボーカルをフィーチャーして力の入った前半部分を形成、やがてギターソロが転調を重ねるあたりからいよいよプログレらしい展開を伴いつつ中間部へ突入。
 中間部はSEも挟んでスペイシーな空間を見せつつ上昇する感じで進んでいき、後半に差し掛かる骨太ロック風なサウンドになるあたり、まさに山あり谷ありのマリリオン・サウンドだ。もっとも曲そのもののが最高潮のテンションにまで至らないのは、アルバムの本当の山場はこの後…ということなのだろう。


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