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2010年5月29日 (土)

MARILLION / Marbles (Dsic.2)

Marbles_cd_large


 間奏曲3「Marbles III」は、雨音みたいなピアノのモチーフにのってリズミカルに歌われる。マリリオンにしてかなりくっきりクリアな輪郭がある作品なのが珍しい。ちょっとバカラックみたいな感じもあるが、こういうのホーガスのセンスなのだろうか。
 ここからの第3部は比較的動的で親しみやすい曲が並ぶ。まず「The Damage」は、中期ビートルズみたいなサイケで、ちょっとひねったポップさがある。ホーガスがフィルセットになるあたりの展開がいかにもいかにもで楽しいし、後半の大仰なコーラスもそれ風だ。
 「Don't Hurt Yourself」も、60年代後半の香りがするフォークロック風な作品。アコギのストロークとスカスカなリズムセクションのグルーブ感がなんとも気持ちいい。

 「You're Gone」は、エレクトリックなリズムをベースにしたこの時期のマリリオンらしい仕上がりを見せた作品。マイナーで暗い抒情と不思議な高揚感が交錯している支配しているのがおもしろい。私自身は彼らのこういうサウンドは大好きなのだが、マリリオンのこうしたエレクトリックなサウンドは一般にはどう評価されているのだろうと思ったら、どうも本国では本曲はシングル・カットされて、マリリオンの久々のヒットとなっているらしい。
 一転して「Angelina」は、都会の場末のようなSEの後ジャジーなオルガンやギターなどフィーチャーして、序盤はアーシーなムードを演出しつつメロディックに進んでいく。中盤以降はディスク1のゆったりしたムードに回帰するが、きっとここで第3部は終了というサインなのことだろう。隠し味のアンビエント風味が心地よい曲だ。


 「Drilling Holes」は比較的ハード・ロックしたメインのテーマと暗鬱な悲しげなサビが交互に現れる。ちょっと一筋縄ではいかないような構成を持つ、様々な要素が現れては消えるような仕上がりになっている。ひっょとすると、このあたりで、主人公となる者の現実と追憶が混濁してくるのかもしれない…。ともあれそんなイメージをかきたてる曲だ。最後の間奏曲である「Marbles IV」は、ちょっとラウンジ風なアレンジで演奏される。
 「Neverland」は、アルバムの掉尾を飾る12分半の作品。ピアノとシンセ・オーケストラによる荘厳なイントロから、まさに「ブレイブ」を思わせるムードで、ホーガスが切々と歌う。中間部から後は、これまでの彼らにはあまり例がないような、ボーカル(ダブっぽかったりする)、バンド・サウンド共に、非常に重層的な組み立てられたかなり複雑なサウンドを展開しつつ、大河のうねりのような流れを感じさせながら、エンディングへ向かっていく。

 という訳で、このところ何度か繰り返し聴いている訳だけど、かなり味わい深い充実した音楽のように思うのだが、どうに全体がなかなか見えない音楽でもある。表層的にはかなり違うものの、こうした音楽的な歯ごたえは、まさしく「ブレイブ」のそれを思わせるもので、これはもうしつこくこれからも何度か聴いてしかないだろう。
 ちなみにシングルアルバムのヴァージョンだと、収録曲のテイク違いとかはなさそうだが、絞り込んだ曲数とメリハリある構成により、こちらはかなりとっつきやすい仕上がりになっているの注目されるところだ。彼らが公的にはシングル・ヴァージョンを残したのもなんとなく分かる気がする。

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コメント

↑Drilling Holes に反応するのかww


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本題、Disc.2の方は1枚モノで端折られている曲ないんだねえ。

シングル・アルバム・ヴァージョンだと、かの「ブレイブ」よりかえって取っつきやすいくらいの印象です。

iTunesをシャッフルにして聴いていると、マリリオンとレディオヘッドやコールドプレイなんかは、交互にかかっても全然違和感がない。

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