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2010年4月 2日 (金)

The Best of MARILLION

The_best_of_marillion

 彼らのベスト盤というのも、既にけっこうな種類もあるのと思うのだけれど、今夜聴いているのは2003年に出たものである。92年の「A Singles Collection」はフィッシュとホーガスのボーカルが交互に出てくる構成を取り、97年の「The Best of Both Worlds」では2枚組でそれぞれのディスクに歴代ボーカリストを割り振っていたが、今回のディスクはシングル・アルバムで、旧マリリオンのを8曲、そして現在の布陣によるものを10曲で計18曲を選び、ほぼクロノジカルに並べる構成をとっている。気がつくのは、フィッシュ時代の曲がいよいよ半数を割り込んできたこと。まぁ、マリリオンはこのメンバーで、フィッシュ時代を倍の年数、アルバムをリリースしている訳だから、当然といえば当然であるが、やはりフィッシュ時代の音楽というのは、それだけこのバンドにとって重い物があるのだろう。

 さて、本作だがこれまでのベスト盤もそうだったように、アルバム未収録のシングル・ヴァージョンを主体にした構成になっているのがうれしいところだ。マリリオンのアルバムは大抵重厚でトータルな趣があるので、シングル・カット向けな曲は、けっこう埋もれ気味になっているところがあるのだが、こうしたスナップ集みたいな構成で、彼らの比較的ポップな曲がつるべ打ちされるのは、なにしろ気軽に楽しめるのがいい。また、ショート・ヴァージョンにはいつものマリリオンとは違った側面が見えたりして、それを発見するのもまた楽しいところだと思う。
 例えば、「美しき季節の終焉」に収まっていたポジションがあまりに地味だったためイマイチ目立たなかった「Hooks in You」はこういうアルバムでは、そのハードなノリのなさとポップなセンスを再認識させてくれるし、逆に「楽園の憧憬」では、ポップ過ぎて浮き気味だった「Cover my eyes」もここでは何の違和感もなく光り輝いている気がする。また、「Beautiful」や「Man of a Thousand Faces」の簡潔なエディットは(特に後者のエディットの思い切りの良さは中々のものである)、これらの曲の持つ流行歌的側面が感じられたりもする。

 という訳で、数年間マリリオンの作品をご無沙汰していた当方としては、これまでの活動の復習も兼ねて、とても楽しく聴けるアルバムなのだが。不満な点としては、どういう訳か、「Marillion.com」と「Radiation」からの曲がないことだ。この期間はEMIから離脱していたせいで契約上クリアできないのか、それとも単純に収録時間の問題なのかはわからないが、ちとベスト盤としては寂しい気がする。原曲から2分以上切り込んで、モダンなポップさを全面に出した「Between You and Me」などを聴くに、一瞬違う曲なんじゃないかと思う豹変振りを見せたりして、なかなか楽しい仕上がりになっているので、前述の2枚のアルバムにも存在しているに違いないこうしたヴァージョンをぜひ聴かせて欲しかったところだ。あと、フィッシュ時代では「Punch and Judy」が入っていないのが、個人的にはちと惜しまれるところだった。

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