« PINK FLOYD / Final Cut | トップページ | TANGERINE DREAM / Live In London`75 Pt.2 (The Bootleg Box Set.1) »

2010年4月11日 (日)

TANGERINE DREAM / Live In London`75 Pt.1 (The Bootleg Box Set.1)

Td


 先日取り上げたタンジェリン・ドリームの公式ブートボックスから、今日は75年4月2日のロンドン公演のパートを聴いてみた。前回も書いたが、この時期のダンジェリンはまさに全盛期であり、しかも75年4月といえば、おそらくは「リコシェ」の素材となったテープを回していた時期になるハズなのである。「グレイテスト・ヒッツ・ライブ」というか再構成された産物であった「リコシェ」に対して、「本当はどんなパフォーマンスを展開していたのか?」を知る意味でも、とても興味深いソースである。CDを聴く限り、このステージは2部構成で、前後ともに50分程度のパフォーマンスだったようだ。とりあえず、今回はその第一部のみを取り上げてみる。

Part:1_a
 導入は、この時期のタンジェリンらしい不穏な音響に始まり、そこに鳥のさえずりを模したようなやや耳障りなシンセ音が絡みつつ進行。やがてサウンドはクラスター的に重層化されていき、から異次元トリップ風な趣に展開。この部分はおそらくフローゼとバウマンがメインの音響を担当し、フランケはより効果音的な部分を担当しているのだろうと思われる。再び鳥のさえずり風なシンセが登場すると、バウマンの弾くメロトロンのフルートがフィチャーされたややミステリアスな音楽となり、このまま「ルビコン」を思わせる彼岸というか桃源郷風なサウンドへ変わっていく。このあたりのプロセスは非常にイマジネイティブなであり、当時のオーディエンスはさぞやトリップできだたろうなぁと思ったりする。

Part:1_b
 前パートからそのまま続く「b」は4分ほどの短いパートだが、特にここだけ独立した印象がある訳ではない。音楽的にはちょうど「リコシェ」の最終パートのようなコラール風な抒情的空間で、後半にはメロトロンのクワイア(合唱)が大活躍するのはいかにもタンジェリンらしい展開である。ちなみにこの時期の彼らのライブはほとんど即興だったようだが、この後、それはどんどん構造化していき、最終的にはほとんどスコアリングされたような音楽になっていく。ここで聴けるパートなども、その後のライブでは定番として現れるものだ。

Part:1_c
 前パートのムードをそのまま引き続き、華麗なるメロトロンの乱舞に乗って、いよいよシンセ・リズムが登場する。リズムそのものはシンセ・ベース風なシンプルなもので、タイプとしては「ルビコン」や「フェードラ」のA面を思わせるものだ。なお、この時期の彼らは一応シーケンサーも使っていたようだが、ここで聴けるリズムはおそらくバウマンによる手弾きでろう(微妙にリズムの位相をズラしているし、よれているところもある)。他のパートは-あまり根拠のない推測だが-、パーカス風な音を絡めるのがフランケ、メロトロンがフローゼといったところだと思わせる。ともあれ、全盛期のタンジェリン・ドリーム・サウンドであり、後半に行くにしたがって、上り詰めるようにテンションが上がっていく、そのパフォーマンスはさすがというしかない。

Part:1_d
 リズムが一段落すると、なにやら異次元空間を突破していくようなスペイシーさを感じさせる、ホワイト系や粒子系のノイズ、メロトロンが乱舞する音響となる。後半は再び「リコシェ」や「ルビコン」の終盤を思わせる抒情系な音響空間が展開され、そのまま第1部は幕となる。なので、この「d」パートは結果的に、パート1の後奏というかエピローグとも呼ぶべき役割だと思うのだが、それにしては14分という演奏時間はやや伸ばしすぎな感もなくはない。「リコシェ」ではこれに相当する部分は数分で切り上げていたはずで、こういう編集の妙こそが、「リコシェ」がいかにも傑出したパフォーマンスに感じさせたマジックの一端だったんだろうと思う。

« PINK FLOYD / Final Cut | トップページ | TANGERINE DREAM / Live In London`75 Pt.2 (The Bootleg Box Set.1) »

04 ユーロ系」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/552114/48038923

この記事へのトラックバック一覧です: TANGERINE DREAM / Live In London`75 Pt.1 (The Bootleg Box Set.1):

» TANGERINE DREAM / Live In Sheffield `74.10.29(Bootleg Box Set Vol.1) [BlogOut別館]
 タンジェリン・ドリームは、彼らの全盛期のひとつであるヴァージン・レーベル初期、 [続きを読む]

« PINK FLOYD / Final Cut | トップページ | TANGERINE DREAM / Live In London`75 Pt.2 (The Bootleg Box Set.1) »

● 愚にもつかぬ つぶやき