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2010年3月24日 (水)

the EXPLORERS / Manzanera & Mackay

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 エクスローラーズは「アヴァロン」を最後に解散したロキシー・ミュージックの残党2人、つまりフィル・マンザネラとアンディ・マッケイがジェイムス・レイスというボーカリストを迎えて、83年に始動したプロジェクトだ。一般的に当時の「ロキシー=イコール・ブライアン・フェリー」という認識であったから、フェリーが85年に出した「ボーイズ&ガールズ」は、「アヴァロン」に続く実質的にロキシーの後継作という位置づけで大ヒットしたのに対し、このエクスプローラースはマンザネラとマッケイというロキシーのオリジナル・メンバーを二人を擁していながら、それなりの「ロキシー通」の間でも、全くといっていいほどに注目されないまま終わった。エクスプローラーズのボーカルを担当するジェイムス・レイスはかなりブライアン・フェリー的なキャラクターをもったボーカリストであり、出来上がったサウンドは「アヴァロン」にかなり肉薄した、フェリーにあっけなく解散通告されたふたりが「ロキシーは決してフェリーだけじゃないんだよ」的な意地を感じさせるハイ・クウォリティなものであったにも関わらずである。

 その後、マンザネラとマッケイはエクスプローラーズという看板では商売にならないと思ったのか、プロジェクト名義をマンザネラ/マッケイに変え、しばらくは継続していたようで、この名義の2,3枚のアルバムが発売されている。私はそのどれも律儀に付き合ったクチだが、困ったことといえば、これらのアルバムはどれを購入しても、曲目にだぶりがあったことだった。大半がダブっているのなら、最初に録音したもののアルバム未収録曲を転用しているのね....と納得もできるのだが、日本でも発売された「マンザネラ&マッケイ」などは、その過半数はデビュー作に入っていない曲ばかりで構成されていたりしたのは、今でも活動しているのなら、どうしてフル・アルバムではないのか?、それともデビュー・アルバムにそれほど沢山マテリアルを録りためてあったのか?。と、さっぱりわからなくて、より混乱を招いたものだった。いずれにしても、細々と出続けた彼らのアルバムもやがて見かけなくなり、プロジェクトはおそらくは自然消滅したのであったが、今でもたまに彼らのアルバムを聴くと、「一体、あの変則的なリリースの仕方はなんだったのか」と疑問に思ったりもしていたものである。

 さて、本作はこうしたエクスプローラーズの活動の全貌を2枚のCDにまとめたものである。先日Twitterでふとしたきっかけのこのプロジェクトの話が出たことから、ネットで調べてみたところ、こんなアルバムが出ていることを知ったので、急遽購入したものだが、なにしろエクスプローラーズに関しては、私は肝心のデビュー作をCDで買い換えをしておらず、いわば残り物ばかりで構成されたCDをもっぱら聴いていたせいもあって、デビュー作のソースを聴けるだけでも、価値があると思った次第である。そんな訳で、さきほどからデビュー・アルバムに準じた構成で曲が収録されたディスク2を聴いているところだが、うーん、冒頭の「愚か者の船」、そして「ローレライ」に続く流れは、無性に懐かしい。前述の通り「アヴァロン」に続く実質的にロキシーの後継作は、誰がなんといおうとフェリーの「ボーイズ&ガールズ」だろうが、「ボーイズ&ガールズ」でフェリーが再現できなかったロキシー的要素も少なからずあるのも事実で、ここにはそれが全面的に開陳されているといってもいい。

 マンザネラのギターやマッケイのサックスといったインスト部分はもちろん、フェリーよりもう少し重く暗いマイナー調や、演歌的いってもいいような泣き節、隠し味的に随所に聴こえてくる実験的な音響、ある種のアマチュアリズムを感じさせる賑々しさといったところは、確実に「ボーイズ&ガールズ」で高度の洗練の代償としてフェリーが失ってしまったものである。私はブライアン・フェリーは当然大好きだが、マンザネラやマッケイが作った曲も愛好しており、例えば「アヴァロン」でいえば、マンザネラの「Take A Chance With Me」、そしてマッケイの「While My Heart Is Still Beating」といった曲への愛着もひとしおだったりするので、この2曲の続編ともいえる「Safe In The Arms Of Love」や「You Go Up In Smoke」といった曲の素晴らしさ、水際だったサウンドのプロダクション・ワークといったところを聴くにつけ、やはりエクスプローラーズは、「もうひとつロキシー」だったことを痛感してしまった。これが全く注目されなかったことは、返す返す残念なことであった。今でもそう思う。

※ ちなみに本作は1枚目のアルバムの収録曲のほぼ全て、何枚か発売されたシングル、そしてフルアルバムにはならなかったが、断続的にレコーディングされたらしい、幻の第2作目の楽曲がほぼ網羅されているようだ。


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