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2010年3月 4日 (木)

MARILLION / marillion.com

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 マリリオンもずいぶん未聴アルバムを溜めてしまったバンドだ。最後に聴いたのが、確か98年の「レイディエーション」だから(これも実はそんなに聴きこんでいない)、10年10枚以上のアルバムが宿題になっていることになる。マリリオンというバンドは、それこそフィッシュが居た頃から大好きなバンドであるのだが、スティーブ・ホーガス以降の彼らはストーンズではないけれど、その時期の音楽動向によって多少味付けは変わったりするものの、やっている音楽は基本的にいつも同じようなところがあり、どのアルバムも安定して高いレベルをキープしている反面、「次にどんなアルバムになる?」的な面では期待薄なところがあるのであるのだ。なので、新作はほとんど漏れなく購入はし続けているものの、「まっ、そのうち聴こう」みたいな感じで、どうも後回しなってしまいがちなのである(すいません)。

 さて、本作は「レディエーション」の翌年(99年)に発表された20世紀最後のマリリオン作品だ。ほとんど初めて聴くのと同様な作品ではあるのだが、1曲目の「A Legacy」の暗いトーンのボーカルによる開幕に続いて、ギターやコーラスが中心となった重厚なマリリオン・サウンドが始まる時点で、「あぁ、相変わらずだな」と、聴いていてほとんど安心感のようものすら感じてしまうから不思議だ。「基本的にいつも同じ」とか「相変わらず」とは書いたが、前々作の「This Strange Engine」がフォーク・ロック、前作がギター・ロックと味付けはいろいろと変えていて、今回はその意味では多少都会的でポップな趣きが多少強く、その意味で「Afraid Of Sunlight」の感触に近いものを感じたりもする。サックスをフィーチャーした2曲目の「Deserve」、マリリオンらしい浮遊感を比較的コンパクトにまとめた3曲目「Go」や5曲目「Enlightened」、前々作ラインのサイケ風な4曲目の「Rich」、ブルース・ロックっぽい6曲目の「Built-In Bastard Radar」、メロディックな7曲目「Tumble Down The Years」など、どれも従来のマリリオンに比べ適度な軽快感があり、本作のポップさをよく出していると曲目群だと思う。

 一方、プログレ的というか、重厚なマリリオン・サウンドを味わうには前述の「A Legacy」の他、15分に及ぶ8曲目の「Interior Lulu」だろうか。浮遊感あるサウンドに乗って暗鬱な情感に満ちた歌で始まり、徐々に色彩的なサウンド(キーボードとギターの絡みが絶妙)に発展していき、そこから一気にアップテンポでシンフォニックなサウンドへと発展して、エレクトリックからアコースティックへのとサウンドの色合いが様々に変化していく展開は、マリリオンのプログレ・バンドとしての職人性が良く出ている。アルバムの真ん中では比較的コンパクトな曲が続いたから、この曲では大サービスといったところだろうか。また、ラストに収録された「House」は、アルバムのクロージング・ナンバーに相応しいバラード風な作品だが、普通なら4,5分で終わらせるところを、なんと10分に引き延ばしてやっている。こうなるともう音楽としてはアンビエント風であり、まるでアート・オブ・ノイズの「モーメンツ・イン・ラブ」にボーカルを乗せたといった趣になっていて、巷の評価は分からないが、アート・オブ・ノイズ、アンビエント大好きな私には、本作中もっとも気に入った作品になった。

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