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2010年3月 7日 (日)

GARY BOYLE / Games

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 先日とりあげた「The Dancer」と一緒に購入したもの。ただし、こちらは昔の作品ではなくて2003年に収録された比較的近年の作品である。ゲイリー・ボイルは「The Dancer」の後、数枚のソロを出していたことは知っていたが、それから後は全く消息を聞かなくなってしまっていた。小さなジャズ・クラブに出たり、マイナー・レーベルでソロ・アルバムが出ていた可能性もあるが、本作の内ジャケを見ると「25年振り云々かんぬん」というフレーズが出ていたりするが、実態としてはほとんど引退状態だったのだろう。
 さて、その久方ぶりのソロ・アルバムであるが、2曲だけピアノが参加しているものの、基本的には極めてオーソドックスなギター・トリオで録音されていて、メンツはウッド・ベースにRiaau Volso、ドラムスにPatrick Illingworth、ゲストのピアノがZoe Rahamanという布陣となっている。私にとっては全く無名な布陣であるが、名前からするとイギリスのインド系ジャズ・ミュージシャン達なのかもしれない。

 音楽的には全くもってオーソドックスなジャズ・ギター・トリオである。「The Dancer」で聴けたようなフュージョン色はもちろんだが、プログレ的あるいはジャズ・ロック的なゴリゴリ感もほとんどなく、全体としては、かつてジャンル横断的な活動をしていたジャズ・ギタリストが繰り広げる渋いジャズ・アルバムといった風情である。ジョー・ベック、マイク・スターン、ビレリ・ラグレーン、ジョン・スコフィールド、パット・メセニーといったフュージョン出身のジャズ・ギタリスト達は、時たま先祖返り的に4ビート・アルバムを出すけれど、調度、雰囲気的にはあれに近いムードといってもいい。
 もちろん、アメリカとイギリスという違いはあるから、ゲイリー・ボイルの音楽はより密室的でマイナーなところはあるが、総体的には前述のミュージシャンとかなり似たような立ち位置の音楽なように思う。「昔はいろいろやったけど、やっぱオレはコレだよ」みたいなところであろう。本作ではオリジナル作品の他、チック・コリアの「Windows」、マイルス・デイヴィスの「Blue in Green」、ヴィクター・ヤングの「Beautiful Love」というスタンダード作品を取り上げているが、この選曲がこうした立ち位置を雄弁に物語っていると思う。

 なお、かつての面影を偲ばせる曲としては、やはりピアノを迎えての1曲目の「Gozo」だろうか。ピアノとギターのユニゾンによるテーマ、多少入り組んだリズム・パターンなどからアイソトープや「The Dancer」が多少ちらついたりする。また「Makeover」は、かなり前の作品になるがブランドXが割と普通のジャズをやった「Xcommunication」での錯綜する4ビート音楽に近いものも感じたりするが、やはりピアノを迎えての「LP」は「The Dancer」でのバラード・プレイを思い出させる。
 まぁ、まだ探せばそういうところはいくらでもあるだろうが、やはり全体の感触としては、圧倒的にジャズ・ギター・アルバムである。しかも、特筆すべき点は、ここでのボイルは非常に実に芳醇なギター・ワークを展開しているという点だろう。私は昔からギター・ジャズが大好き....という点は抜きにしても、とりあえずクウォリティの高いジャズ・アルバムということだけは間違いないと思う。そんな訳で、本作は久しぶりアルバムを出してくれたボイルに対するお世辞でもなんでもなく最近の愛聴盤となっている。

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