« PINK FLOYD / Is There Anybody out There? -The Wall Live 80-81- | トップページ | KING CRIMSON / Red (40th Anniversary Series) »

2010年2月13日 (土)

UKZ / Radiation

Ukz


 エディ・ジョブソンといえば、昨年ようやく重い腰を上げて、UKZなるレギュラーバンドを発足させた。このUKZはデビュー・アルバムに先行して、4曲入りのミニ・アルバムを出し、6月には早々と来日公演もちゃっかりと実現させて、往年のUK作品はもちろん、きっとベースにトレイ・ガンがいることで実現したのだろう、なんとクリムゾンの「太陽と戦慄II」なども演奏したらしい(ジョブソン自身も、かの曲には少なからず縁があるのはご承知のとおり)。
 さて、本作は前述のミニ・アルバムである。すぐにでも出そうな勢いだったデビュー・アルバムも、目下のところ、発売にこぎつけておらず、新星UKのサウンドを聴けるのはこの4曲だけ....という状態が、都合もう1年も続いている訳だ。早いところフル・アルバムを聴かせてもらいたいものだが、とりあえず、今夜はこのミニ・アルバムでも聴いて、新生UKへの渇望を癒すこととにしたい。

 UKZのメンツはジョブソンとトレイ・ガン以外はあまり有名ではなく、アレックス・マクヘイサック(gt)、マルコ・ミネマン(ds)、アーロン・リッパート(vo)という布陣である。こんな形容をしたら、本人達に怒られるかもしれないが、おおよそ「21世紀のテリー・ボジオ&アラン・ホールズワーズ+アルタナ系ボーカル」といった感じだろうと思う。少なくともジョブソン自身が、メンバーのそうした腕やセンスを見込んで、このバンドを結成したことだけは間違いない。
 1曲目の「Radiation」など、まさにそういう感じの音になっている。イントロは「アラスカ」や「テーマ・オブ・シークレット」を思わせるジョブソン得意のちょっと歪んだ空間サウンド、本編は「パワー・トゥ・ビリーブ」のクリムゾン風な-ということはレディオヘッド的ということでもある-ヘビィでモダンなサウンドとなっている。ギターはかなりソリッドでエッジの切り立っており、これにアーロン・リッパートのボーカルがのると、いかにもオルタナ系な音楽に近づくものの、中間部ではやはりクリムゾンの「ブルーム」を思わせるギターのアルペジオから、ははーん、やっぱりという感じのホールズワース風のギター・ソロが登場して、プログレ的なところもしっかりみせている。

 2曲目の「Houston」はアコスティックな趣もあるミディアム・テンポのジェントルな作品。シンセの白玉、アコギ、フリップ風な息の長いEギターが組み合わさったサウンドで、やはりクリゾン風、ただし、こちらは「スラック」期のクリムゾンのバラードに共通するセンス。3曲目の「Tu-95」はインスト作品で、本作に収録された4曲中、もっとクリムゾン色の強い作品となっている。ほとんど「Elektrik」や「The ConstruKction of Light」の異母兄弟といいたいようなサウンドだ(ただし、クリムゾンがやったような、テーマ部分のテクニカルな楽器のリレーはない)。なお、中間部では短いがジョブソンによるオルガン・ソロも登場する(かつての「メタモーフォシス」や「ジ・オンリー・シー...」でお馴染みのアレ)。4曲目の「Legend」はエピローグ風なギター・ソロだ。
 そんな訳で、このミニアルバムを聴く限り、バンド内でジョブソン自身は拍子抜けするほど露出していない。おそらくトレイガンに音楽の実質的な主導権を委任してしまっているのだろうが、もう少しジョブソンの個性を出しても良かったと思う。来るデビュー・アルバムではそのあたりはどうなるのだろうか?。


※ ジョブソンといえば、間もなくUKZとは別のバンドで来日するようです。マーク・ボニーラやビリー・シーンを擁したスペシャル・プロジェクトのようですが、それはそれでいいとして、一体UKZのアルバムはどうなったんですかねぃ。

« PINK FLOYD / Is There Anybody out There? -The Wall Live 80-81- | トップページ | KING CRIMSON / Red (40th Anniversary Series) »

02 プログレ一般」カテゴリの記事

コメント

来日公演ではUKZとしての新曲を期待したんですが全然なくて懐メロ大会だったのはある意味がっかりしましたが、気を取り直して楽しもうと思えばとってもよいライブでした。CDがあまり出なくてライブ活動ばかりというのはなぜなのかよくわかりませんが、今後に期待したいですね。
来日の件は知りませんでした。情報ありがとうございます。

ジョブソンの来日公演チケット、本日発売だったので申し込みしました。
UKZは未聴だったので、このミニアルバムを金曜の深夜にネットで申し込みしたのですが、土曜日中にもう届きました。
恐るべし某熱帯雨林!(゚m゚*)
来日前にせっせと予習します。

石原さん、コメントありがとうこざいます。こちらでもよろしく。

> 新曲を期待したんですが全然なくて懐メロ大会だったのは
このあたりは往年のバンドの再結成とかになると大抵つきまとう問題ですよね。新作はステージに立つためのエクスキューズ、どうせ新曲やってもオーディエンスよろこばねーしみたいな(笑)。ただ、まぁ、UKZのミニアルバムは往年のヴィンテージ作品をやるためだけに集めたにしては、ちともったいないくらいの実力というか、ある種の懐メロバンドとは明らかに違ってそうな、オーラ感じられたんですけど....。

PEPPER軍曹さん、某所で来日情報ありがとうこざいました。

> UKZは未聴だったので
自分はiTuneShopでダウンロード購入しましたが、アマゾンは本当に早い。自分の場合クラシックなんかを購入することも多いため、HMVで購入することが多いですが、アマゾンのまるでワープみたいな速度になれてしまうと(笑)、決して遅くないHMVでも「遅く」感じますね。

> 来日前にせっせと予習します
オレなんざ、かれこれもう1年も予習してます。うし、今度の来日には行くぞ!(笑)。ではこちらでもよろしくです。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/552114/47559287

この記事へのトラックバック一覧です: UKZ / Radiation :

« PINK FLOYD / Is There Anybody out There? -The Wall Live 80-81- | トップページ | KING CRIMSON / Red (40th Anniversary Series) »

● 愚にもつかぬ つぶやき