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2010年2月 6日 (土)

MORAZ, BRUFORD / In Tokyo

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 どういう訳か、昨年になって発掘されたモラーツ&ブラッフォードのライブ音源(昔出ていたブートをオフィシャル化したものかもしれない、音質的には良好なカセット録音といったレベルである)。1985年、本邦、赤坂におけるライブであり、短命に終わったこのデュオの最後(つまり2作目を発表に前後した)時期を捉えたライブということで、いろいろな意味で興味深い演奏になっている。このデュオは1作目は「ピアノ・トリオ・マイナス・ワン」といった趣のジャズ的な色彩に強い演奏であったが、2作目ではパトリック・モラツの自己顕示欲が例によって強まったのか(笑)、大々的にシンセを導入してよりプログレ的な音楽に変貌していった。本作はこのデュオの音楽がこうした方向にシフトしていたことを、如実に感じさせるパフォーマンスになっている。主要な曲をメモっておこう。

 1曲目の「Blue Brains」はビルのシモンズ等エレクトリック・ドラムを大きくフィーチャーしたアフリカン・ミュージック的な作品、モラーツもカリプソ風なシンセ・サウンドでそれに答えており、1作目のピアノ&ドラムスというシンプルな音楽とは大分違ったベクトルを感じさせるサウンドになっている。2曲目の「Hazy」は1作目のラストに収録され、きちんスコアリングされたこのデュオの良質な部分が発揮された作品だが、ここでも冒頭にシンセをフィーチャーした長目のイントロ、中間部のエレクトリック・ドラムの小ソロなど、長さも広がりも拡張されたサウンドになっているのが特徴か。4曲目の「Cachaca」はある意味本作の目玉かもしれない。モラーツのソロ・アルバム「i」からのお馴染みの作品であるが、賑々しいオリジナルとは対照的なピアノ&ドラムスによるシンプルな形態で演奏ではあるものの、さすがにビルのドラムで聴く「Cachaca」は凄まじい。中間部でテンポを上げて、エキサイティングに展開していく場面を始めとして、両者のハイ・テンションなインタープレイの応酬はさすがだ。

 5曲目の「Galatea」は1作目の路線に近いフリーなインプロをフィーチャーしたこのデュオのスタティックな側面が良く出た作品。スタジオでは途中出てくるジェントルなテーマがもう少しきっちりと配置されていたが、ここではライブらしく自由な流れになっている。8曲目「Children's Concerto」はこのデュオのプログレ的な側面で考えれば、最高傑作ともいえる作品で、かなり構築的作品だが、ここではやや流し気味にさらりと演奏している。9曲目の「Jungles of the World」は1曲目同様エレクトリック・ドラムをフィーチャーしたワールド・ミュージック的作品で、いくらかその後のアースワークスの音楽も見え隠れしているともいえるかもしれない。ラストの「Temples of Joy」はシンフォニック・プログレ的作品で、モラツはシンセ、ビルはジャズ的なドラミングではなく、イエスやクリムゾンでのそれを彷彿とさせるドラミングに終始しており、当時第二の全盛期を迎えていたビルのテクニカルなプレイを大いに堪能させてくれる。

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