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2010年2月20日 (土)

JAN AKKERMAN / C.U.

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 こちらは比較的最近、2003年に発表された比較的最近のソロ・アルバム。ヤン・アッカーマンという人は、ギラギラのロック・ギター、シックなジャズ/フュージョン路線、アコスティック・ギターでバッハとかダウランドあたりに影響受けたクラシカル指向と、広すぎる守備範囲を持っている人である。本人がその気になれば、前述のどの方向でも「その道を極める」こともできたはずだと思うのだが、フォーカス解散後は特にどこかのバンドに属するなどということも、音楽的焦点を定める訳でもなく、端から見ていると、まさに「気のおもむくまま」、その時々で気の合うメンツを集めて、様々な趣向のアルバムを作っている....という印象が強い。よくわからないが、彼もアラン・ホールズワースと同様「ギターを持った渡り鳥」みたいな性格なのだろう。本作もそんな彼が気のおもむくまま作ったアルバムのようだが、私の聴いた範囲ではという注釈付きだけれど、近年の作品の中ではもっともジャズ/フュージョ路線が強く出た作品となっているように感じた。

 なにしろ、全編に渡って打ち込みリズムである。アッカーマンで打ち込みといえば、かの「ベートーベンの復讐」以来、もはや定番となっているフォーマットではあるが(一時あまりに多用したので、いささかウンザリしているムキも多いと思う)、今回のアッカーマンはおそらく打ち込みにはほとんど関わっておらず、参集された若手のメンバーが作り上げたと思われる、かなり今風なダンス・ビートが全編を覆っているのである。とにかくこのメンバーたちはドラムマシンみたいなリズムではなく、ハウス系のループやサンプリングなどを縦横に使っていて、とにかくモダンでアーバン、云ってしまえばスムース・ジャズみたいなオケを作っており、そこにアッカーマンのギターが乗るという趣向になっているのが本作の特徴である。自分はいちミュージシャンに徹し、他人様が作り上げたダンス・ビートの中でプレイヤーとしてのミュージシャン・エゴを開放する....みたいな試みは、古くはエルトン・ジョンの悪名高い「ヴィクティム・オブ・ラブ」とか、マイルスの「ドァー・バップ」とかあったけれど、本作もたぶんそういうタイプの作品なのだろうと思う。

 まぁ、そうしたコンセプトが効を呈したか、本作でのアッカーマンはジャズからロックまで、いろいろなスタイルを駆使して、まさにギター弾きまくり状態である。2曲目の「Between the Sheets」は、フォープレイも取り上げたアイズレー・ブラザーズの名曲で、本作では一番スムース・ジャズ的な仕上がりのオケだが、中間部ではいかもアッカーマンという感じのちょっとカントリー風な早弾きが登場するなど、ノリノリなバックに乗って嬉々としてギターを弾きまくっている様が楽しい。また10分にも及ぶ「Cottonbay」は、フォーカス時代の「トミー」で、お馴染みのアッカーマン流のバラード・プレイをたっぷり楽しめる。8曲目「Slow Man」はエキゾチックなムードの中、もうひとつのアッカーマンのキャラ、アコスティク・ギター弾きの側面をフィーチャーした作品になっている。
 という訳で、この手の打ち込み音楽を、私自身が好きだという理由が大きいとは思うけれど(笑)、近年のアッカーマンの作品では、かなり楽しめた仕上がりになっていると思う。実際、移動中のBGMとしてもけっこうお世話になっているし...。

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